今年、開館30周年を迎えた安曇野市豊科郷土博物館の建物は、地面に届くほどの大きな瓦屋根が特徴です。
いうまでもなく、瓦は、屋根に葺かれ建物を雨から護っています。安曇野では、明科廃寺(明科)の建物に葺かれたり上ノ山窯群(豊科)で生産されるなど、既に古代から瓦の文化を認めることができます。また、近代には川手地域を中心に瓦産業が栄えました。
住宅事情の変化により、最近では瓦屋根を葺くことも減ってきていますが、それでも瓦は私たちにとって身近な存在です。一方で、そのためにあまり注意されてこなかったとも言えるのではないでしょうか。
実用的な瓦ですが、よく見るとさまざまな種類があり形があります。さらに、さまざまな願いが込められていることもわかります。しぶし銀に輝く瓦はまさに渋くて味わいのある造形なのです。
瓦について、いつもと違った角度から眺めてみませんか。
きっと、新たな発見があるはずです。
|